──何より俺は。
きっとメレディスを置いて、時を進んでしまう。
[メレディスを見つめながら語るのは、互いに流れる時間の早さの違い。
時の精霊の眷属だというメレディスがどれ程生きるのかは解らない、けれどきっと、自分よりは長く生きるだろう。
その違いが引き起こす別れを、ユーリエは何度も見てきた。
長命である種族が氷人族と交わり、家庭を成して。
最初から約束された別れであっても、想い出がある郷に居るのが辛いから出ていくと、父に挨拶に来た人を何度も、何度も。
だから、置いて行かれる者の辛さそのものを知りはしなくても、それがあることを知ってはいるのに]