[だが、とてつもない力を秘めた魔法であることはわかる。 大魔術師にふさわしい──カタストロフ。] ここ過ぎて曲節の悩みのむれに、 ここ過ぎて官能の愉楽のそのに、 ここ過ぎて神経のにがき魔睡に。[初めて唱えるにも関わらず呪文は滑らかに唇から流れ出した。印を切る指先にまで満ちる魔力。]