――准将…
本当は……父は。
いえ、自分の妄想…かもしれませんが。
この通信機、戦争の連絡手段ではなくて、もっと。
遠方にいる家族だとか友人とか、恋人とか…
そういう相手との愛の会話に使ってもらえれば
一番いいと…考えていたと思います。
今は…こんな時代ですし、そもそも量産も出来ませんが。
いつか…
もっと簡単に開発できるように技術が進歩して、
そして平和になれば――
この父の忘れ形見も、いつか――。
[ 珍しく、長話になってしまったが。
”愛の会話”という単語を出した時、
准将の表情がわずかに変化を見せたのは、
気のせいだったかどうか――* ]