[意外にも、ディーターが出したのは折衷案だった>>207
妹命の彼ならば、止めるものだとばかり、思っていたが――
自分にのみ聞こえる声量で説明されたことでああ、と納得する
1人でも視界が滲むことはあれ涙が零れない己ではあるが
レジーナと確かパメラは親しかった、と思い至り
1人で泣く時間も矢張り、気持ちの整理のためには必要だろう]
外は少しマシだが
未だふぶいているから。気を付けて
[君に何かあったらお兄さんが生きた心地がしないだろうし
なんて、少しばかり明るさを作った声で紡いだなら
彼女が出かけるならそれを見送ることにしようか
ああ、雪は嫌いだ
――だいきらい、だ
雪の中、外へと出ていく2人の背
春になったらかえってくるっていったのに
うそつき*]