―― 第4エリア・花園 ――
[ドロシーの姿を探して花園へと足を踏み入れれば、静かに咲き乱れる花の中で、
たったひとり、彼女はいた。]
ドロシー! 大丈夫か!?
[目を見開き、慌てて駆け寄ったのは、
花の香りに混ざって微かに鼻をついた血の香りと、衣服を染めた血の色が見えたから。
耳のあたりが赤く染まっているように見えた。
そこに見える黄色の花を、なんだろう、と思う余裕もなくて、
彼女の元へとひた走る。
此方を見上げて名を呼ばれれば>>237、傷の具合を目で確かめて、恐らく命にかかわるような状態ではないだろうと、そこだけはほっと胸を撫でおろす。
けれど、金糸に散った赤があまりに痛々しくて、ぐっと顔を歪める。
そうして、傷の具合も当然気になるけれど、彼女の表情がどうしようもなく痛そうに見えたから、]