-旗艦ヴァンダーファルケにて-
いーえ、もう大丈夫ですよ。
うちの所の衛生兵、そこらの医者には負けんほど鍛えてますからね。俺がいなくても充分対応してくれてる。
[笑いながらゲオルグに答える。
頼み、の言葉には首を傾げ、続きを待った。
続く言葉には少しばかり不思議そうに。
何があったかは知りたい事だったけれども、どうして話してくれるのだろうと。
疑問符は顔に出ていたのだろう。ゲオルグに先回りされて言葉にされる。]
そりゃ不思議でしたよ。
何が起きてるのかまったく分からんかった。
すごいもの、見れましたけどね。
[すれちがう戦艦。侵しがたい空間。
あの風景を思い出す間にも、話は続く。
そして、帝国側――シコンへ行って欲しいには、妙な声が漏れた。]