[ 精霊がこの世界に存在するのかは定かではないが、風の伝える気配は間違ってはいなかった。いくらか飛んだところで、黒馬を駆って走る騎手の姿を眼下に捉える。
どうやら向こうもこちらに気づいたらしい、とは、見上げた様子で、そしてどうやら敵と見做されたらしい、とは、詠唱と共に襲ってきた暴風で知れた>>230 ]
魔法使い、か、アウロラッ!!
[ キューイ!と鳴いたグリフォンは、主の意を汲み、ばさりと力強く羽ばたいて高度を上げる。
しかし標的を追う風の魔法は、そのままグリフォンとその騎手を追ってきた ]
はっ!!
[ 渦巻く風は、上空に昇るほどに範囲を広げる、その分、中心部にわずかに風の弱まる部分があることを男は予測し、グリフォンの背から、その風の渦の中心めがけて飛び降りる ]