[馳せ参じた早さを言われたならば、一度更に深く頭を下げた。]
御褒めに預かり光栄です。
何分、そういったところにしか、
…取り柄がありませんので。
[そう返す表情は軽薄な笑みの儘で、何処まで本心か捉えかねるものだったかもしれない。
然し、頼まれた内容に苦渋を飲む思いが出てしまったのだろう、念を押すような言葉に首を横に振る。]
………、 …いえ、存じ上げております。
調べよと仰せなら、御意に。
[再度重ねて請け負う意を示せば、それについての追撃にも近しいものはなく、宜しくという意味の類いの言葉があっただけだった。
それが、敢えて気に留めなかったとは知らないが。>>222]