[ ソマリの広い胸にしがみつく。 司祭たちの服のようにいい匂いはしなかったが、 背を撫でる手は優しくて、つい、「聖女」の仮面が壊れそうになる。 一番厳しく聖女であれと態度で示してきた相手なのに。 一度息を吸って、とめて、 腹から吐いた。 ソマリの顔を見上げて。 ] バルタザールが、魔物を斬らなかったの。