[話が人段落ついたところで、先ほどの怒りを蹴りという形でぶつける。
してやったり、と思ったが、敵もさるものだった。>>232]
てっめ……俺まで巻き込むな。
[気にしたとは口が裂けても言えないが、
無回答が解答だろうか。
悪態をつきつつ、此方に向き直ったソマーリュから離れようとして、
近付く顔に目を見開く。
そのまま押し返そうとしたが、彼の方が早かったか。
血の付いた唇を押し付けられる。
誘惑を振り払おうと力を込めるが、無理矢理押し付けられる唇というより血に、彼の意図を悟った。
ベロリ
獣が傷を舐めるように、その血を拭い去り]
泥臭い味だな。
[と鼻を鳴らす。そうして立ち上がり、彼に背を向けさっさと歩きだす。背を向ける事がゆるしと信頼の証左だと彼は気付くだろうか。]