[ 案じる視線を向けるものの、今は、そこにかまけてばかりもいられない。カレルの後を追うように、高度を上げてきたハンスとヤコブを視界に捉えると、カレルは、二人に大きく手を振って、空の六翼竜を一度指差し、続いて、風竜の翼を指差した。 ]行きます![ 魔獣のように足を止めるということの出来ない翼持つ竜を、止めるなら、狙うのはまず翼だと、伝えようとした意は届いたか。どちらにせよ、彼らならば効果的な策を見出すはずと信じて、風竜の力強い羽ばたきと共に、再び空を駆け上がり始める。 ]