― 旗艦ヴァンダーファルケ艦上 ―
[タクマを送り出して後、艦隊は再び速度をあげてリオレ島を目指しつつある。
その艦隊から離れて、高速の小型連絡艦がリオレへと向かった。
リオレ島を預かる指揮官へと向け、ゲオルグの指示を持たせた連絡艦である。]
……アンディーヴ候が寝返ったとあれば、
[それに少し先立つ時。首都を発って間もなく、男は傍らの副官へと向け、その先のことを語っている。]
恐らくはこちらの配置状況、完全とは言えんだろうが、
ある程度の情報も渡ったと考えていいだろう。
守備砦もやられたであろうからな。
[文書を処分する暇もなかっただろう。
そう推測して、言葉を続ける。]