[身体のバランス感覚や成長もまた著しかった。精霊がドンと置いていった丸太をじっと見て、木の目を読むと、錆びた斧を軽く打ち込んで真っ二つにする。穴のあいた桶の底に、落ち葉を一枚ピタッと当てがうだけで水を洩らすことなく汲上げる。スリングショットで水脈を射抜いて噴水を作り出すこともあった。泉に浮かべた小さな丸太の上にずっと片足で立っていたこともある。ここへ来た当初、身につけていた軽鎧はいつしか窮屈になって放り出されていた。]