[馬が濡れた砂を蹴る振動。一歩一歩、確実に詰められる距離。その瞬間が訪れる直前、ソマリは腰を最大限に捻り、右手の短槍を後方へと引いた]───はああああぁああぁ!![人馬が接近したのに気付き、長虫が噛み付こうと口を開く。その一瞬を狙い、穂先を上に向け、下から跳ね上げるように短槍を放った。気合と共に放たれた短槍は一直線に長虫の口───その奥の何らかの器官に突き刺さる。その一撃で激痛が走ったか、長虫は胴を仰け反らせてもがき出した]