[ ため息を一つついて、執務室の外に声を掛けた。
防諜部から連れてきた部下の一人と、歩兵の一人を室内に招き入れる。 ]
……先日帝国軍前線基地から潜伏作戦を終えて戻って来たシロウ・ファーイースト大佐についてだが。
トルステン殿下の直属で護衛にあたると言う話もあるが、少し気になる。後二名を交代要員として彼を監視しろ。
万が一の時には《盾》になれ。
非常時には一人が俺のところに戻るまで、守るんだ。何を、誰をとは言わない。
……わかるな?
[ そう言って部下を送り出した後、しばらく考え込んでいた。
作戦会議への招集があれば、表情をいつも通りに戻して参加しただろう。* ]