[自身についてもだが、エレオノーレ自身についても本来なら何か手を打つべきなのだろう。
――少なくとも、昨日の彼女が本来の姿だというのなら]
…まあでも。
[今、こうして自分の腕の中で彼女が見せる邪気のない表情を、
もう少し眺めていたい気分なのも否定はできなかった。
そうして、しょんぼりと下がったその長い耳を軽く甘噛みすれば
ふぇっと小動物のような悲鳴をあげる彼女の様子を楽しそうに眺める。
きゅ、とブラウスを握りしめる仕草も、震えて縋り付く様子も実に可愛らしい]
うん?…どう、おかしくなるって?
[少しばかり意地悪な問いかけをしながら、
こちらへ身を寄せてくる彼女の頭をよしよしとあやすようにして撫でる。
そうしていると、不意に彼女の唇が近づいて――きたのだが、それを遮るようにして腹の虫が鳴った。
と同時に、彼女が離れようとするのが見えて]