なに……って、ちょっ!?
[叫びと共に四散する、風の刃。>>235
唐突な出来事に、すぐに対処なんてできるわけがない。
……そもそも、身に着けた風の魔法は、現状空中移動に関するものだけで、それ以外はほとんど使えないままなのだから。
取りあえず、体勢を整える事を優先するその横を、風の刃が通り過ぎて行く。
直撃は風乙女たちが逸らしてくれたが、刃のひとつが左の上腕を軽く掠めた。
白い夏服──周囲からは珍しい、とよく言われる、男子用セーラー服がすぱりと裂ける。
すぐに血が出ないのは、所謂かまいたちに近い状態のためか。
おかげで、痛みも感じてはいないのだが]