[男の顔がこちらを向く>>235。
青年には、その視線が自身を正確に捉えているように思えたが。
帰ってきた声に首を傾げた。
広いとは言え、受付もすぐそこにあるし、そもそも地下室への階段がある書斎はすぐそこにあるのに。
そして何より。
いくらネクタイをしているとはいえ、カジュアルな服装に、手にはカメラを持っている。ガイドには見えないだろうに。]
俺も観光客ですよ。
地下室なら俺も行こうと思ってたんで、良ければご一緒にどうです?
[目の前の男の背は、自身よりも15cmほど高くて、青年の目線は少し上向きに。]
と、失礼ですが……もしかして、目が悪いのです?
[わずかにためらったが、万が一そうであれば気を回す必要もあるだろうと、思い切って聞いてみた。]