…民間の方にまで、その様な事は求めませんが。
[と目を伏せる。それくらいの分別はあるし、何より、中身はそれなりに年相応でもあったから。]
その浪漫が、あの廃墟しかない島に?
[勿論、男のやるべきこと、やりたい事の正確な事などわからなかったが、その語る口調に色が乗るのは明らかに感じ取れる。だから、と役割上は認める訳にもいかないのだが。]
[心配するなと宥められるのに、そのアピール感も相俟って、やはり何処か、小娘、と高を括られているように感じるのはこちらの引け目なのか。見送るその苦い顔には気付かなかった。]