[少し黙って天井を見上げ、耳を澄ましてみる。
生憎と、アルビン程度の力では、気配など読みとれなかった。
ひとつため息をついて、寝台を降り、一度周囲を伺ってから、
そろそろと、寝台に肘を置き指を組む。目を閉じて、そこへ額を当てた。
息をするように出来る、祈りのポーズ。
こんなところを親に見られたら、どんな折檻を受けるか、想像するだに恐ろしいけれど]
……。
[でも、祈りの言葉は声に出来なかった。
ありとあらゆる神を冒涜する言葉を言わされたこの口で、今更何を祈れようか。
ただ、黙って願う。たったひとつのことを]
『どうかもう、これ以上罪を犯さないですみますように』