[もう少しだけ、と駄々捏ねる様。
愛妻に未練を抱き、其れが僅かな別離だとしても、この体たらく。
同種なれば力の不足も理解出来る為、眼を逸らすことは出来ないが、それでも。]
―――…月がもう一つ在れば良いのに。
[周期転じる衛星一つを欲する短絡。>>224
精霊にあまり見られぬ向上心は、いつも彼女に起因する。
禁呪に該当するかは、モラルの低い身にとって些細な問題でしかない。]
時を重ねれば、欲しいものばかりが増えていきますね。
貴女が戻る頃、屋敷を照らす月が増えていたら笑ってください。
[冗句とも付かぬ言葉は笑みを伴い、愛妻にさらりと告げた。]