― パン屋の前 ―
やあ、アルビン!久しぶり。
[アルビンが手に余るからとレシピを売りつけたことも、お人よしと思われているとも知らず。空になった籠を手に駆け寄り、声をかける。
村で顔を合わせて自分がパンを焼いたと教えるたびに、焦がすことの火事を出すことの言われる訳だが。焦げたパンは店には並べないし、火事を出すほど強い火は使わないから平気と、傍から聞いたらボケに思われかねない言葉を大真面目に返すのがお約束だった。実はアルビンが村を出て以来交流が減っているため、子供の頃の印象、が強いのはこちらも同じだ。]
えっと、あなたは初めてお会いする方ですね。僕はパン屋の店主の息子、オットーと申します。
[アルビンと一緒にいる見慣れない人に首を傾げながらも挨拶をする。]