……、艦をお引き願いたい。[ひとつ、念を押すよう音を繰り返して。] 扶翼官のこと、分かりました。 ───が、今は艦をお引き願えませんかな? このまま彼らがカルボナードに到着すれば、どうしても、 首都にも民衆にも力づくの印象を与えるのが避けられんのです。 それは…、まあ。ちと厄介でしてな。 ウルケルはそれなりに、頑固者の集まりでして。[つるりと己の頭に手をやった。それなりに、ゲオルグ自身もウルケルの人間である。]