[無表情の下に様々な思考を巡らせながら、目の前に居るフィオンの様子を改めて伺う。アイリがここを訪ねた目論見通り、やはり目の前の人物はウェルシュ王子と懇意のようだ。若くして今の地位に昇りつめた超エリート。外務長官として、自国からすれば頼もしい限り。外の国から見れば、やっかい極まりない人物。ウェルシュ王子の周りには、この国の叡智が集まっている] ……。[眩しい者でも見るように目を細め、わたしは再び手元のカップに目を落とした。**]