― 回想/7年前 ―
へえ…。面白いものを持っている。
[唐突に頭上から響いた声。
それを娘はどんな風に聞いたろう。
魔は娘の反応にも動揺にも頓着せず、彼女の目前に降り立った。
ばさり。一瞬、闇色の翼が風を起こす。
娘の目前には、ヒトならざる赤い瞳が、楽し気に煌めいていた。]
ふうん?なるほど?
ははあ…そうか。お前、────「掛け合わせ」、か?
[遠くから見えたのは、かの大鎌の色…気配のみだった。
目に留めて降りてみれば、娘の纏う気配までが良く視える。
覚えのある気配だった。
武器と結び付ければ、一つの名前が記憶の中から浮かび上がる。]