― 魔王の城・上空 ―
[扉の内、吸い込まれた先には。高い塔の尖端近く、空に浮いたままいきなり放り出され、地面の遠さに慌てて屋根の突端にある尖った飾りにしがみついた]
び、くりした…
[恐る恐る下を覗き込めば、禍々しいながらも豪奢な城が眼前に広がる]
………。
[いつまでもここにいる訳にもいかない。いかないのだが、乾き始めた服がやがて泉の効力を失えば、この城の中ひとり放り出されることになりかねない。それは、なんだか危険な気がする。
今しも自分を探しにきた誰かとすれ違ったなどとは知らずに広い中庭をみやると、目に入るのは>>0:#17(10x1)]