[疾走する馬の上で絶叫する。
この瞬間、盟主という立場も、ヴァン・ラモーラルの役割も、
目指す未来も、何もかもが頭の中から消えていた。
目に映るのは、朱に染まって倒れていく身体と、
こちらを向いた、二つの翠だけ。>>221
視界も、思考も、昏い赤に染まる。]
エディ! 馬鹿!エディ!
なにやってんだよ、くそ!
[彼の周囲を囲む騎兵たち>>224に目もくれず、彼らの間に強引に割り込むようにして馬を走りこませる。
疾走する馬から飛び降り地面を跳ねていくつも傷を作りながら、転がるように彼の傍らへと寄った。
慌てて追いかけてきた数騎の兵が、果敢にも主君に続いて敵兵の間を抜け、盟主の傍らに立つ。それすらも、盟主の視界には入らないのだった。]