― 連邦軍野営地 ―
[4人での会話からしばらく後、野営地周辺を巡回していた兵からある報せが齎される]
マルール軍司令官の使いだって?
川を遡上……ロンジーから来たと考えるのが妥当か。
[西からではなく南からというのが不思議に思ったものの、門前払いする理由も無く]
軍議用の天幕へ通せ。
……ラーシュ・ユリハルシラ。
ユリハルシラ家の者か。
[告げられた家名には覚えがある。
3年前に観光で訪れたマルールのある領地を治めているのが、彼の家だったはずだ。
しかしあの時知った嗣子の名はラーシュではなかったはずで。
縁者なのだろう、という推測だけが意識に残った]