隣国の王は実に強かだ、その上狡猾さも持ち合わしている。
今は父上が健在が故に何も起きては居ないのだが。
此方が揺らぐ事が有れば狙って来るかも知れない。
[父王と共に他国の王と接する機会が有った自分は、隣国の王の事はある程度は知っている。
王の話を聞き、実際自分の目で見てきた結果の予測を幼馴染に告げてから最後に一言だけ。]
まだ詳しい実情も無いのだが、警戒して置くに越したことは、無い。
[国内外の事を考えれば、同じ王子の立場である弟の事を思い出す。
人当たりが良く素直な性格を持つ優しい弟、話を聞くに様々な人から見聞きをし見聞を広めているらしい。
父に政を進言し民のために身を尽くしてくれているのは此方も十分認められる事だ。
ただ、外を、疑う事を知らぬ純粋な弟に、陰謀渦巻く黒い世界に身を置かせる事に只ならぬ危惧を抱かざる得ない*]