― それから ―
[ メイン・サロンでの待ち合わせは成功したのだったか
ある程度話に区切りがついたならば、ロー・シェンは ]
それじゃあ僕はこの辺で。
打ち合わせの前に色々と見ておかないとまた迷いそうだ。
[ とか何とか言ってその場を辞去しただろう。
なにせ、一人ではメイン・サロンの場所もわからない。
色々と、配置を確認しておいたほうがよさそうだと。 ]
[ ただ、別れる前にまだカレルの姿がその場にあったら
ちょいちょいと手の先で招いて、合図をしようか。 ]
要らなかったら捨ててくれて構わない
ただ…そうだな、
[ カレルが気付いてくれたなら、言葉を一度止めて
滑らかな手のひらの中に紙片を一枚滑り込ませる。
ローの名前と連絡先が記されたそれは、所謂名刺だった。 ]