― 回想/16年前 ―
[いつものようにダンクラードと遊び、日が落ちる前に屋敷へと帰る。
侍従に連れられて帰宅した時、屋敷の中がいつもと異なったように見えたのは間違いではなかったらしい。
その日は父も早めに帰宅しており、傍らには見知らぬ男性が在った。
息子だと紹介する父に合わせ一礼をし、改めてその人物を見る。
精悍な顔つきの中に見え隠れする案ずるいろ。
部屋へ向かうために迎えに来た侍女に聞けば、彼の息子が高熱で倒れたところを父が助けたのだと聞いた]
ねぇ、そのこ、どこ?
[気になって、部屋へと戻る前に侍女に熱を出した子についてを訊ねる。
今は寝ていますよ、と窘める侍女に、見るだけ、と我侭を言って連れて行ってもらった客間には銀色の髪をした少年が眠っていた]