[ペーターは、目の前にあるヨアヒムの頭を、そっと抱え込んだ。
柔らかな茶色の髪に指を這わせ、さらりと撫でる。]
ヨアヒム兄ちゃん、聞いて。
[耳元でそっと囁いて、ペーターは全てを打ち明ける]
僕が…僕達一家が、この島の占い師だ。
[ずっと抱えてきた秘密を打ち明ける]
…兄ちゃん、聞いて…。
オットー兄ちゃんは、10年前…ママが占っている。彼は…人間だ。
…ごめん、ごめんね兄ちゃん…。
僕が、自分の使命から逃げたから……もっと早く、覚悟してたら……ごめん……ごめんなさい……!
[ぽろぽろと涙がこぼれた。
今、ヨアヒムはどんな顔をしているだろう。
ペーターはただ、震える手で指で、彼の頭を撫ぜ続ける。]