― 廊下 ―[全員への挨拶もそこそこに、外へ飛び出して、 横木に繋いでいた手綱は、ポケットに押し込めた。 疲れてはいないが、一旦部屋に戻ろうかと歩いていれば、 先ほど支配人室で見かけた女性にばったり出くわした>>223] シスターさん 先ほどはお疲れ様です ご挨拶が遅れて申し訳ありません 私、行商をやっております、アルビンです 昨日からこの宿でお世話になっております[帽子を取り、丁重に挨拶を。 彼女の胸中には気づくはずもなく、明るい声で笑顔を向けた。**]