―現在:シュビト近郊―
[ライ麦のパンに干し肉を挟んだものを齧り、水で流し込む。
貴族率いる地方の軍には遣いをやり、挨拶は済ませていた。
>>159先遣隊より独自に備えている南島屈指の錬兵と名高い貴族の私兵の動向はやや気にかかるが。]
サシャ・ヘイズナイト…。
[そこに所属している青年の名を本隊より聞けば、暫し意識を揺蕩わせ記憶を紐解く。
三百年程前に地続きとなった南島。
>>0:161その山岳部の奥地に住まう部族の動向を探る巡視の際、途中まで道案内を務めてくれた青年。
彼が連れていた兵は確かに練度が高そうだった。
巡視の際に諍いが絶えぬ北のまつろわぬ民。
>>0:173南の彼らもやはり歓迎してくれる筈もなく。]