[場の空気が凍てつくよりも先に、彼の声が冷たいものへと変わっただろう。]
情報を落とさせるために、誰かを犠牲に。
さすが隊長! 痺れるっし、憧れるっす!
仲間どころか、自分も危ない橋を渡るだなんて、なかなかできる決断じゃないっすよ。
[言葉の端々に、くふふと小さな笑いが漏れるだろう。]
人それぞれに任せるっすか。
さすが警備員さんっすね。冷静な意見っす。
お互い会ったばかり、本当の力だなんて知りやしないのに裏をかくって訳っすね。
[その瞳はやがて狂気に呑まれる。
目の前で起きている全ては、茶番劇だというように。]