落ち込むくらいなら残さずに平らげること。
―――…ほら、やっぱり放っておけないじゃないか。
[前半は注意だが、後半に向かって揶揄が紛れる。>>229
掌を拭う紺色のハンカチは指を模るようにスライド数度。
無傷の白皙を確かめてから、顔色を変えず、ハンカチを包帯状へ。
数度細い掌に巻き付け、在りもしない火傷の痕を隠蔽。]
これは酷い、真っ赤だ。
……今日明日とホテルで離れている間、無事で居られるのか?
[キュ、と痛まぬ程度に力を掛けて、証拠隠滅。>>230
多少動かし難いだろうが、虚偽の負傷は椀を持っていた左だ。
態とらしい相槌の後、向かいで琉璃を案じていた面子に視線を配り]