― リオレ島拠点内 ―[顔を覆った指の間から雫が零れ落ちる。何も言わず、額に寄せられる肩口や背を叩く動き>>170。ただ黙ってそうしてくれるのが何よりもありがたかった][もう会えない。もう話せない。離れていても傍に在るように思っていた者の喪失。胸に刺さった大きな棘は喪失感を広げんとする。けれど、遺された言葉が、掛けられた言葉が、優しく棘を包み込んだ]