[ だが、折角建てた城を砂のように瓦解
させる悦びを味わうには遠く。
この先もし仲違いをしてしまった暁を
考えては身を竦ませるくらい、
臆病な一面だって持ち得ている。
それが一重に今の関係をどれ程重視しているのか
語るよりも早く理解できた。
尊いものでありながら愚かでもある情に
つける名前が見当たらない。
ただ、触れたかった。
彼の得た揺らぎ>>227を。
しかし、彼の口にする言葉>>_248
の理解は遠かった。 ]
……自覚、って。
[ 何のことだろうと首を傾げば
彼の唇から紡がれるカレルレン≠ノ
瞬きを繰り返す。
流暢に述べられたカレルレンは彼にはそう
映っているのだろうか。 ]