[ということで、現在は街中の見回りである。
昨日のネズミ君が暴れている気配は今のところ無い。
が、街に忍び込んでいるのが彼だけとも限らない]
…ん、ん。こっちはぁ、だいじょうぶぅ。
あとはぁ――…
[頬をくすぐる潮風。
魔女が頭を右に回せば、通りの向こうに青い海。
人と魔の戦などそ知らぬ顔で、穏やかな海面が陽に煌いている。
港都市として名を馳せるカレンだけあって、停泊している船も多い。
普段であればもっと船の数が少なかったと記憶しているが、
流石に魔物が迫っている状況なので、今日は漁師も休みを
選択しているのだろう]