[ぶくぶくと、顎の下あたりまで浮上する。
浮かない顔でアイリを見上げた]
普通は、着替えも入浴も、自分でするものなんですのね……。
やっぱりお父様は過保護すぎるんですわ。
[ぷりぷりと、少し怒ったように言ってみせる。
父の愛情は十二分に伝わっているので、本気で怒っているわけではないが]
それに、お母様も。
わたくしに、あまり部屋から出ないようにって仰るの。
ご自分はよく外出なさるのに……。
でも、外出なさる時は、よく変装なさってるのよ。まるで人目を忍ぶみたいに……。
やっぱり、わたくしもそういう技術を身につけてからでなくては、外に出てはいけないのかしら。
[変装をして、外出。シルキーは窓からいつもこっそり見送っていた。
どう考えてもうさんくさいが、シルキーには人を疑うという発想がなかった]