[壁を歩いてやってきたヒト型の兎が両手を振る。重たげな枷も、なにか楽器めいて見えた。そう思う程度には賑やかだ。] 梟殿が、まさか"兎"を用意してくるとは。 ますます楽しみが増えようというもの。[独り言のように言ってから、兎に声を向ける。白い奴、との呼びかけも特に訂正することはせず] ずいぶんと機嫌がよさそうだな。 ああ、良い匂いをさせている。[漂う血の香を、薔薇のとはまた違うそれを指摘した。]