― 宿屋 ―
……ああ、オットーか。
配達か?ご苦労様だな。
[営業用スマイルと言わんばかりの笑みを貼り付けて、宿屋に姿を見せたオットーをねぎらう。>>225]
……雪崩が?
そうだな、確かに今年は雪が多い。
しかし……私も、年でねえ。この寒さは身に堪える。
もしオットーに暇があれば、見回りをお願いしたいものだ。
ああ、忙しければ、暇そうなのを捕まえて頼んでくれても構わない。
仕事もしていない連中が村にはゴロゴロいるからね。
困ったものだ。
[頭の中に浮かぶのは、パメラやディーター。
なお、自分で行こうとしないのは「寒い」「面倒」というのが真の理由だが、そこはうまく誤魔化して押し付ける心算である。]