―展望ラウンジ―
[サロンへ着く前に、通り道の展望ラウンジへと足を運ぶ。
――あの時セルウィンを連れて行こうとした>>4:250『お気に入りの場所』は此処だった。
かつて異国の客と会った、星々が鮮明に見える地>>1:138。
船内勤務時代、偶に来客対応に当たった際決まって案内する場所。
当時会った異国の客は、己の長い話を興味深そうに飽きる様子なく聞き続けていてくれた。
新人だった己にはそれが嬉しく、調子に乗り長話をしたものだった。
結果、お偉いさんを怒らせ、戒告を受けてしまったのだが。
ここからの景色が好きなのは、この無数の星々の中に、きっと故郷の欠片が今も漂っているだろうから。
しかし、現在はただ深淵が映るのみ。]
(まるで、己の心のように。未来のように。)