おまえの心のありかは、ふるさとにあるものか?
あるいは、歩んできた道に、あるものか?
お前は強くあるものに、見える。
そのゆえを、知りたく思う。
[私は問う。応えが返らずとも一向に構わないが――…
その口調は、常の『お前』のそれとは異なるものであったろう。]
優しくて、逞しくて。
笑顔が元気で、手が暖かい。>>225
いつもひとのことばかり、心配してて。
あんたには、もっといろんな話を聞きたかったな。
[お前の声は、ひどく子供めいている。
それもまた、常のお前とは、異なるものであったろう。
女の目には、ひとりの身体が、かわるがわる口調と表情を変えながら、語っているように見えるはずだ。
私はお前は振り返り、ひたり、と、女の顔を見据える]*