― 通路→データ資料館 ―
[メイン・サロンからデータ資料館までの道のりはそこまで遠くはない。
隣にいるフィオンーー男性にしては小柄な体格の相手の歩幅に合わせて歩く。
データ資料館に着くまでの間、お互い言葉を交わしたりはするだろうか。
……もし会話をしたとしても、うわの空であまりきちんと応えることができないかもしれない。
頭の隅に既視感を覚えて、その原因を探るために思考を巡らし、意識を集中していたから。]
[言葉少なにたどり着いたデータ資料館には、誰かいただろうか?
薄暗い室内の中に人影を探すように*目を凝らした。*]