― 少し前 ―
[ 玉座の間へと昇る前、イースが近づいてくるのに気づくと、アルフレッドは自らそちらへ一歩踏み出した>>204
仲間の前に立つ姿は、彼の歩みを阻もうとするかにも見えたかもしれないが、黒曜の瞳に浮かぶのは穏やかな笑みの色 ]
精霊の水か、確かに炎を操るばかりで喉が渇いた。頂こう。
[ 躊躇いなく水球を受け取り ]
お前の送ってくれた風の加護が、影に斬られる前に動く助けになった。改めて礼を言う。
[ 告げてから喉を潤し、僅か、目を伏せた ]
...魔王の配下を選ぶ目は確からしいな。
お前を見ていると、それだけは判る。
[ イースが勇者一行に援護を申し出る時、それが単なる親切心ではないくらいのことは分かっている。
けれど、一度明確に敵対した相手に、ただ必要だからと手を差し伸べ、その意志を仲間にも隠さない、それを為せるのは、紛れもなくイースの強さだと、アルフレッドには見えている ]