[彼の手にある装飾>>216が目に映ったのは、断りの言葉の最中だった。
その装飾は、かつて滅んだあの国…そう、決して忘れられてはいけない国の、独特な形を持ったそれにひどく似ている。
外務官になってから、執務…というには少々強引な、興味を持って調べていたもの。
形はしっかりと頭に入っていて。]
まさか…な。
[彼があの国の出身であること。
それを考え始めた時に、ふと口を突いて出てしまった。あの遠く離れた国の出身の人間がこの国にいるわけがない…と思っていたから。
何を思っての言葉なのか、相手に勘付かれなければいいのだが。]
…ああ、いや。何でもない。
[彼が何か聞けば、普段の敬語も忘れてこう返しただろう。*]