― 公国拠点・中級将校執務室 ―
[ 机に山と積まれた書類を二つの箱に別けて入れたり、また別の箱を引っぱり出したりと奮戦している。 ]
ああ、これだ、
軍務大臣暗殺事件……大臣及び護衛官の検死報告書。
[ 分厚い書類の束を取り出して、食い入るように読み始めた。 ]
マーティン・フォン・ミュラー軍務大臣は開戦派、もちろんご本人も若年の時から仕官されている。
護衛も多かったはずだが……。
使用された銃弾と銃器は我が国の火薬を使用する物。しかし、何故か、本命であるはずの軍務大臣の部屋周辺では弾痕は見つかっていない。
まあ、護衛と言えども大臣ご本人よりは武力で勝るだろうが……でなければ護衛にならんしな。
しかし、これはどうだ?