[悪戯のようにたった一本残った髪が、彼の剣の付け根に巻きつく。魔の気配を宿したそれのせいで、剣へ纏う聖の力は弱められているだろう。] 貴方が約束を守ってくれること、期待しておりますよ。 ではまた、生きてお会いできることを楽しみに。[勝手に約束だと言い表し、緩やかに目を閉じる。戦った男の名を聞くこともなく、顔を見るために振り返ることもなく、己が血の落ちた地面を踏みしめ歩き出した。]