殿下がお戻りになるまでお待ち申し上げたいところだけど、一日ほぼ通しで馬を走らせてきたら、さすがに疲れたわ。
食事もしたいし、少し休んでからまた来るわね。
[同僚に宿泊先を伝えて、王子が戻られたらすぐに知らせてほしいと頼む。
そのあとで、今度は同僚から問われた。顔面に拵えた青あざについて見咎めたらしい]
……やっぱり、目立つかしら。
ふふ、お察しの通りよ。例の異動先で、さっそく洗礼を受けたの。
この顔で殿下の御前には出られないわね…。
[まずは傷の手当を最優先するとして、わたしは僅かな間だけ王都に留まる事にした。*]